東京高等裁判所 昭和31年(ラ)196号 決定 1956年6月04日
抗告人 申立人 矢板橋トク
訴訟代理人 芳井俊輔
主文
本件抗告を却下する。
理由
家事審判法第一四条によると、審判に対する即時抗告の期間は二週間であるが、家事審判規則第七七条によると、親権喪失を宣告した審判に対する即時抗告の期間の計算については、審判の告知を受けた日からこれを起算することになつているので、右告知を受けた日も算入しなければならない。
本件記録によると事件本人である抗告人に審判の謄本が送達された日は昭和三一年三月三日であつて、抗告人より原審に抗告状を提出した日は昭和三一年三月一七日であることが明白である。従つて本件抗告は抗告期間を徒過した不適法な抗告であつて、其の欠缺を補正することのできないものであるから、主文のとおり決定する。
(裁判長判事 角村克己 判事 菊池庚子三 判事 吉田豊)